『雨ニモマケズ』は、作者である宮沢賢治の死後に発見された詩です。
1931年(昭和6年)の11月の手帳にあったこの詩は、病床に伏し、自らの死を覚悟した宮沢賢治が記したものでした。

雨ニモマケズ 風ニモマケズ 雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ 丈夫ナカラダヲモチ 慾ハナク 決シテ瞋ラズ イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト 味噌ト少シノ野菜ヲタベ アラユルコトヲ ジブンヲカンジョウニ入レズニ ヨクミキキシワカリ ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ陰ノ 小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ 東ニ病気ノコドモアレバ 行ッテ看病シテヤリ 西ニツカレタ母アレバ 行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ 行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ 北ニケンクヮヤソショウガアレバ ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ サムサノナツハオロオロアルキ ミンナニデクノボートヨバレ ホメラレモセズ クニモサレズ
サウイフモノニ ワタシハナリタイ

「ヒドリノトキハ」とあるが、「ヒデリ」ではないかという説もある。

2011年に東日本大震災が起きた後、岩手を郷里とする賢治のこの詩が、東北の被災地にいる人たちを励ましたと聞いています。
多くの方がこの言葉の力を求めて、インターネットで検索し、ユーチューブで動画を再生し、各地で朗読したそうです。

病床で こんな思いで 詩(うた)作る

詩(し)の中に 賢治の無念 感じ取る