文章のみで面白味もありませんが、お付き合いください。

昨年の秋に比叡山延暦寺を訪ねて、今年は高野山金剛峯寺にお参りしてきました。
天台宗延暦寺の開祖は最澄様伝教大師、真言宗金剛峯寺の開祖は空海様弘法大師です。
お二人は同じ時代を過ごされた方で少し調べてみました。
年齢は最澄様は767年にお生まれで空海様は774年ですから最澄様の方が7歳年上です。
最澄様は仏教界において確固たる地位を築いておられ、空海様は無名の一沙門(修行僧?)でこの二人が803年に遣唐使に随行して最澄様は国費で、空海様は私費で唐の都の長安へ留学されたそうです。
遣唐使船4隻のうち2隻は難破、第一船に空海様、第二船に最澄様が乗船されていた船は無事に中国の南方に到着し長安まで1000kmありましたが、遠路長安(今の西安)で3年ほど仏教の神髄を吸収され、空海様は土木工事や薬学も勉強され、その技術も持ち帰り、衆生のために使われたそうです。
お二人は日本へ帰られてからは知識を共有するために密な交流をされていたようです。
どちらかと言えば最澄様が空海様に密教の神髄をお教えいただいていたと文献には書いてありますが、あることがきっかけで絶縁されたようです。
一説には最澄様の愛弟子泰範様に空海様から密教の知識を得るように遣わされたが空海様の弟子になってしまったことが原因の一つと考えられています。他にも色々あったんでしょうね。
天台宗、真言宗はそれまでにあった学問的追求を中心とした南都六宗から新しい大乗仏教の教え、衆生皆が仏になれるという教えを広め、そこから新しく浄土宗、浄土真宗、曹洞宗、臨済宗、日蓮宗が生まれ今に至っています。
もとになるこの二宗があって今の仏教会があると言って過言ではないと思います。
こんなに簡単に話せることではありませんが、2年に渡って二つの世界遺産を回ってみて感じるものがありましたので一筆啓上。
11月半ば以降ならモミジも美しく紅葉していると思います。 一度行かれてはどうですか?